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ポーランドの夏至祭

masato65

著:マウゴジャタ

スラブ世界研究所フェロー、通訳(日本語・ポーランド語・英語)、エッセイスト 皆様、おはようございます!少しお久しぶりです。

ポーランドの夏至祭をご紹介したいと思います。夏至祭は夏を彩る重要なイベントです。私たちの地域では、カトリックの国になる以前から、昔から知られている祭日です。主に、浄化力を持つ水と火の要素に専念しており、また、愛、繁殖力、豊穣、太陽や月の祭りでもあります。

女性たちはリースを作り、それにキャンドルを付け、水に流します。流れのある川がベストですが、近くに川がなければ湖でもいいです。かつて、男性は花輪を“釣り”、リースを作った女性と結婚することも多かったといいます。焚き火を囲んで、みんなで踊ります。男性たちは火(焚き火) の上をジャンプします(火を飛び越えます)。この全ての習慣は代々受け継がれてきました。

夏至祭の参加者は、民族衣装または昔のポーランド人の一般的な服装であったガラ(柄)のないシンプルな長いドレスを着用します。そのような衣類がない人は普段着で結構です。 

ところどころ、特に小さな町や村では、薬草を使った製品(食品、飲料、化粧品など)を売る屋台が出ています。薬用ハーブには、癒しや治癒の効果があると広く信じられています。天然の薬草が手に入らないところでは、「ハーブガーデン」が増えています。現在では、ハーブの屋台のほかに、地元の人々が地元の食材を販売しています。伝統がなくならないためにも、これはいい傾向だと思います。

また、夏至祭時には、夏至の時期にしか咲かない「輝く羊歯の花」を探す習慣がありました。この花を見つけると、富とパワーと知恵が得られると信じられていたのです。しかし、実際には特定の「羊歯の花」があるわけではないので、現代ではそれを探すことはないです。何人かの作家が羊歯の花を題材に小説などを書いています。

さらに、夏至の夜は、河童に溺死させられてしまうので、川や湖で水浴びをしてはいけないと信じられています。夜が明けてからなら、安全です。昔の人は、水によって身を清めるためにこのようなことをしていました。 

966年にポーランドがカトリック国家になりました。自然崇拝や多神教の信仰を根絶することがなかなかできなかった教会は、夏至のお祝いを6月23日から24日の夜に行われる「洗礼者ヨハネの前夜祭」(ポーランド人は“洗礼者ヨハネのイブ” とも呼ぶ)にまで延長しました。水や薬草を成聖する習慣が生まれたのです。やがて、夏至祭と同じような祭りだと思われるようになりました。

現在では、平日にお祝いをすることが難しいため、週末にさまざまなイベントが行われます。しかし、或る大きな都市では数週間かかる「夏至フェア」でも開催されます。私自身はそのようなイベントにはまだ数回しか参加していませんが、実に面白く、興味深いものでした。以前にも書いたと思いますが、習慣や伝統を忘れないで守って、覚えておくに越したことはないです。

 
 
 

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